血圧のお薬と歯肉増殖症

6/30/2023 公開

こんにちは、はやし歯科ほんまち院の林です。

先日のブログに書いたように歯周病学会にオンライン配信で参加していますが、その中で高血圧のお薬による歯周病の患者様の症例が紹介されていました。
今日は高血圧のお薬による歯肉増殖症についてお話しします。

アムロジン(一般名:アムロジピン)という血圧を下げるお薬があります。数多くの臨床エビデンスを有する高血圧症及び狭心症の治療薬です。日本では降圧治療の第一選択薬の一つとして広く処方されており、高血圧症の患者様の7割が服用していると言われています。ある程度しっかりした効果が得られ、副作用の非常に少ない薬とされ、だからこそ、世界で最も処方されている薬の一つとなりました。

しかし、頻度としては高くありませんが、長期服用により歯肉増殖症を引き起こすことがあります。メーカーの市販後調査では頻度が0.1%以下しかないとされていましたが、薬剤投与開始から3か月で歯肉増殖症が発症、場合によっては1年以上経てから発症する例もあるため、副作用と気づかれないケースもあり、実際には1.7~5%と言われています。

歯肉増殖症は歯面に歯垢(デンタルプラーク)が多いと重症化します。重症化すると抜歯になることもあります。歯肉増殖症が起きたときは歯科医師から内科医に服用薬を変更をお願いしますが難しいことが多いため、日頃の歯みがきを徹底して行うこと、定期的に歯科受診して歯石を除去してもらったりすることが非常に大切です。

血圧のお薬を服用している方、飲み始めた方など、内科だけじゃなく歯科医院にも定期的に受診して体とお口の健康を維持していただきたいです。はやし歯科ほんまち院にぜひご相談ください。