口臭の新しい研究のお話

3/9/2024 公開

こんにちは、はやし歯科ほんまち院の林です。

この前ネットニュースで口臭の研究の話が載っていました。

口臭の中でも特に強い臭気の原因として知られるメチルメルカプタンという物質が増えて口臭が悪化する仕組みを、大阪大学と化粧品会社大手のマンダムなどの研究チームが解き明かしたというニュースです。

口腔内には多種多様な細菌がいて、フローラと言われる細菌叢を形成しており、バイオフィルム(プラーク)の中でお互いに近接する細菌間の相互作用が歯周病などの口腔疾患に関与していることが報告されていますが、今まで口臭の発生への関与は分かっていませんでした。そこで細菌間相互作用が口臭に及ぼす影響について、今回の研究によりその一端が明らかとなりました。

内容はというと、歯周病原菌としても知られるFn菌と呼ばれる細菌がこの物質を最も多くつくり出していて、Sg菌と呼ばれる別の細菌と共生するとその作用が強まることを突き止めた、云々。
ちなみにFn菌はFusobacterium nucleatum、Sg菌はStreptococcus gordoniiという菌です。

具体的には、Fn菌とSg菌が同一環境下に共生するとFn菌のメチルメルカプタンの産生量が約3倍に増加すること、さらに、そのメカニズムとして、Sg菌から排泄されたオルニチンによって、Fn菌のメチオニン代謝経路が活性化され、メチルメルカプタン産生が増加することが今回の研究で明らかとなりました。

今回の研究により、口臭発生要因に対して選択的に、且つ集中的に対処することで、今まで以上に効果的な口臭予防法や治療薬の開発が期待されると共に、ヒト常在細菌間の相互作用・共生の理解が深まり、体臭などさまざまなニオイケア製品開発への応用が期待される、というところがマンダム的な展望ですね。

研究のお話はどうしても横文字が多くなり、特に最近の名前など暗号のような単語が多くて内容がなかなか掴みにくいかもしれませんが、新しいアプローチの口臭ケアの研究が進んでいる、ということです。

口臭は自己認識が難しく、口臭心身症(自臭症)を患っている人が多い一方で、自身の強い口臭に無自覚な人も多く、対人コミュニケーションに悪影響を及ぼす原因にもなっています。また非常にデリケートな問題であり、1人で抱え込む方も多くいらっしゃいます。

稀に内臓疾患から来る口臭もあり、またニンニクなどのお食事によることもありますが、ほとんどの場合は口臭の原因はお口の中にあります。

はやし歯科ほんまち院でお口の中を定期的にチェックして、問題を解決し、口臭の心配のない毎日を送りませんか?ご来院をお待ちしております。