カレーと歯周病

11/3/2023 公開

こんにちは、はやし歯科ほんまち院の林です。

え?カレーと歯周病?加齢と歯周病の間違いじゃないの?と思われそうですが、カレーライスのカレーと歯周病の関係について少しお話しします。

カレーを作る際にはさまざまなスパイスを使用しますが、その中にターメリックという黄色いスパイスも含まれています。ターメリックとはインド原産のショウガの仲間の植物です。

ターメリックは主にアジア地域で古くから料理のスパイスや染物の染料として使われており、中国やインドなどでは漢方薬や塗り薬としても長く用いられてきました。

ちなみにターメリックの和名はウコンです。二日酔いの時にお世話になる方も多いかと思います。

クルクミンはターメリックの根茎に多く含まれる黄色の物質です。クルクミンがターメリックから初めて発見されて以来数多くの研究によって抗菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用など様々な効果があることが明らかになってきました。

これまで歯科領域におけるクルクミンの効用についてはあまり明らかとされていませんでした。しかし数年前クルクミンが、主要な歯周病原菌の一つであるPorphyromonas gingivalisの増殖を抑制する働きがある、と報告されたことを皮切りに徐々に研究が進んでいるようです。

元々はカレーが大好きでスパイスに造詣の深い方が歯学部に入学し、在学中に細菌学の研究と巡り合ってクルクミンを調べ始めたことがきっかけで、クルクミンと歯周病の研究がスタートしたそうです。
カレーと歯周病の運命的な出会いですね。好きな事を研究できるなんて本当に素晴らしいです。

とは言え残念ながらカレーが歯周病予防に効く、という話ではありません。ターメリックは水に溶けにくいのですが、水に溶かさないと歯周病原菌の増殖抑制効果が出ないなど少し条件があるようです。
今は消毒薬や手洗い石鹸で有名なサラヤという会社がクルクミンを用いた口腔ケア剤の開発に取り組んでいるようです。

ターメリックの香りの歯磨き粉やマウスウォッシュといったところでしょうか、なかなか刺激的で興味深いです。

とは言え歯周病予防に大切なのは、日頃の歯磨きと定期的に歯科医院を受診する事です。はやし歯科ほんまち院に是非いらしてください。