高齢社会と口腔ケアと医療費

12/1/2023 公開

こんにちは。はやし歯科ほんまち院の林です。

めっきり寒くなってきました。医院の近くの御堂筋も夕方になるとイルミネーションでキラキラしています。

さて日本が高齢社会に突入して久しいですが、口腔ケアを必要とする介護施設入居者が増加する一方で、介護提供側の口腔ケア提供体制の不十分さも指摘されています。

8020運動の成果もあり、高齢者の残存歯数は増えましたが、同時に歯周病などの問題が出てきました。
要するに昔なら簡単に抜かれていた歯が残されて、要介護状態になり口腔内の管理が難しくなった時には歯科的問題となってしまっている、という状態です。

一方で、ここでも時々お話ししていますが、口腔状態と全身疾患との関連性について研究が重ねられて、特に歯周病に関しては動脈硬化、糖尿病、虚血性心疾患、リウマチ、認知症、早産・低体重児出産等との関連が徐々に明らかになってきています。

ご高齢の方に関しては言えば、口腔ケアと誤嚥性肺炎の予防について研究されており、最近では適切な口腔ケア導入により入院日数が大幅に減少したという報告もあります。

これよると、ある介護施設(定員69名)において、適切な口腔ケア介入を行ったところ、介護施設入居者の不要な入院日数が減少し施設滞在期間が増加、入院医療費削減と介護施設の収入増加につながったとされています。

すなわち、適切に口腔ケアを行うことで、高齢社会において増大する国の医療費を抑えたり、介護施設の収益増加によって介護者の処遇向上、労働環境の改善につながる可能性があるというお話しです。

何より口腔というのは、食べる、話す、笑う、など、"その人らしさ"を引き出すのに重要な働きのある器官であり、口腔ケアやリハビリは口腔内の健康のみならず、全身状態の改善、なによりQOL(生活の質)を高めます。

しかし、要介護状態の方のご家族様や介護者様は適切な口腔ケアがどう言ったものかわからない、そもそも日々の介護や業務に追われ、口腔ケアにまで手が回らない、というのが現状だと思います。

そんな社会の問題にほんの少しでも助けになれば…と思い、はやし歯科ほんまち院は訪問歯科診療を開始しようと現在鋭意準備中です。

開業前は院内のことを考えるのでいっぱいいっぱいでしたが、最近色々な方との出会いもあり、徐々に訪問歯科診療への思いも強くなり、助けをくださった方々もいらっしゃったこともあり、踏み切ることにしました。

はやし歯科ほんまち院では、ご高齢の方や障がいのある方などさまざまな問題で通院が困難な方の元に直接出向いて歯科診療を行います。

お近くに困っているかたがいらっしゃったら、ぜひはやし歯科ほんまち院にお問い合わせください。